Ubiquiti、Wi-Fi 7対応のエンタープライズ向けアクセスポイントを発表
Ubiquitiが高密度環境向けに設計された最新のEnterprise Wi-Fi 7アクセスポイントを発表。一方、AppleのWi-Fi 7導入は依然として限定的。
Ubiquitiは、次世代のエンタープライズ向けWi-Fi 7アクセスポイントを発表し、高性能な無線ネットワークの新たな基準を打ち立てることを目指している。この最新ソリューションは、高密度環境での接続を最適化し、最新技術を活用したシームレスな通信を実現する。
新しいWi-Fi 7ラインアップ
今回発表されたラインアップは、以下の3つの主要モデルで構成されている。
- Enterprise 7 – 広い屋内スペース向けに設計され、最大2,000平方フィート(約185㎡)のカバレッジを提供。10ストリームのWi-Fi 7機能を備え、1,000台以上のデバイスをサポート可能。大規模なエンタープライズネットワークに最適なモデル。
- Enterprise 7 Campus – 屋外の厳しい環境向けに設計されており、IP67規格に対応し、PRISM™ RFフィルタリングを搭載。大学キャンパスや工業エリアなど、電波干渉が多い環境でも安定した通信を提供。
- Enterprise 7 Audience – スタジアムなどの超高密度環境向けモデル。12ストリーム対応、ビーム幅のカスタマイズ機能、IP68規格の耐久性を備え、最大1,500台のデバイスを接続可能。
主要な特長
新しいアクセスポイントには、ネットワーク性能を向上させる最新技術が多数搭載されている。
- 6 GHz Extended Range Mode – 広範囲のエリアをカバーしながら、高い信頼性を維持。
- 10 GbE PoE++ Uplink – 高速通信と冗長性を確保し、要求の厳しい環境でも安定した接続を実現。
- スペクトルスキャニングとRFフィルタリング – 干渉を最小限に抑え、信号の明瞭度を向上させ、ネットワーク全体の効率を最適化。
これらの機能により、UbiquitiのWi-Fi 7対応ソリューションは、最新技術を活用した強力なエンタープライズ向け無線インフラとしての地位を確立する。
AppleのWi-Fi 7導入状況
Appleは、最新のiPhone 16シリーズにWi-Fi 7を導入し、高速通信と低遅延を実現している。しかし、最新のMacBook ProやiMac(M4チップ搭載モデル)では、依然としてWi-Fi 6Eが採用されており、Wi-Fi 7への完全移行はまだ進んでいない。
また、iPhone 16におけるWi-Fi 7の最大帯域幅は160MHzに制限されており、Wi-Fi 7が本来サポートする320MHzの帯域幅の半分にとどまっている。このことからも、Wi-Fi 7はまだ普及の初期段階にあり、インフラや実用性が徐々に整備されつつあることがうかがえる。
業界の展望
Wi-Fi 7は無線通信技術の大きな進化と位置付けられているものの、本格的な普及にはまだ時間を要する状況だ。Ubiquitiの最新エンタープライズ向けアクセスポイントは、スタジアムやキャンパス、大規模なビジネスインフラなど、信頼性と高性能が求められる環境に特化した製品となっている。
一方で、AppleのMac製品における慎重なWi-Fi 7導入の姿勢は、業界全体の普及状況や技術的なメリットが明確になるまで待つという戦略とも考えられる。Wi-Fi 7対応ルーターが一般化すれば、Appleのエコシステムに与える影響もより大きくなるだろう。
UbiquitiのEnterprise 7アクセスポイントはすでに販売開始されており、CampusおよびAudienceモデルは今後数カ月以内に発売予定。企業向けの無線ネットワーク強化を検討している場合は、Ubiquitiの公式ストアで購入可能だ。